脳幹出血【第18話】▶︎ 奇妙な体験その1

お話はジローくんが倒れた直後のもっとも容態が悪かった

意識不明期間の事です。

ジローくんが倒れた直後、私は頭の整理がつかなく

とても精神状態が不安定でした。

ジローくんが倒れてから2日目の夜

病院から帰った私は眠れるはずもなく

こたつに入りスマホをいじっていた。

脳幹出血の回復記録が無いかと必死に情報を探していたのです。

....そしてそのうち、うとうとしてしまい

数時間たった頃、お部屋の電気がぱっとついて明るくなったので

お部屋の入り口を見たらジローくんが扉の前に立っていた。

私はびっくりして

「ジローくん!!!! どうしたの?! 家に帰ってこれるの???」

と尋ねるとジローくんは

「まだ・・・よくわからないんだ・・・。」とひとことだけ答えて

壁にス〜〜と吸い込まれて消えていった。

.....私の精神状況が不安定だったからこんな夢みたんだなぁ.....。

そして次の日の夜。

どこか知らない田舎の電車のホーム。

そのホームにジローくんがぽつんと１人で立っている。

私がジローく〜ん！と声をかけても彼は振り返らない。

そこに赤い電車が入ってきて、、なんとジローくんがホームに落ちてしまった。

私はあわてて　ジローーーー！！！！！と叫んだ。

目が覚めた時、汗びっしょりで自分の叫び声がなんだかやたら耳に残っていた。

その日はなんとも縁起の悪い夢を見てしまい、

姉に、縁起悪い夢みちゃったよ・・・と夢の内容を話して

やるせない気分で病院に出かけた。

そしていつものように待合室で面会時間になるまで待っていた時

待合室にあるTVのニュースに映った映像が

明け方に私が見た夢と同じ・・・

田舎の駅のホームに赤い電車が止まっている映像だった。

そのニュースの内容は

盲目の男性がホームに落ちて電車に巻き込まれ死亡したというニュース。

この事故は私が夢をみた数時間後の出来事でした。

そしてなにより驚いたのがニュースで報道されていた

亡くなった男性の名前が・・・

夢の中で私が叫んだジローくんの本名と同じ名前だったのです。

その日同じニュースを見た姉もかなりびっくりしていました。

このニュース記事は

ネットニュースから記事を拾ってプリントアウトをして

今でもジローくんの闘病記録のノートにスクラップしてあります。

なんとも、、説明がつきにくい奇妙な体験でした。

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