脳幹出血【第25話】▶︎ トイレ訓練

ジローくんの体が動き始めて間も無い頃

本人の切なる希望によりトイレ訓練が開始された。

訓練用のトイレは一般用のトイレの一角に

車椅子で入りやすいようにカーテンで仕切られている個室があり

四方に手すりが完備されていた。

この訓練のご担当は作業療法士（OT）のマッキー先生。

先生の指導で便座に座るまでの動きと

麻痺のある手でのズボンの上げ下げ動作を念入りに確認し、いざ実戦へ。

便座に座るまでのジローくんの動きはとても上手でスムーズだけど...

問題は便座に座ってから脳幹出血の後遺症で尿意が起こらないこと。

便座に座ったジローくんの尿意が起こるまで待つこと５分。

「ジローさんどうですか？」とマッキー先生。

それに対してジローくん、

「マッキー先生と花実が便座に座っている俺をジーとガン見してるので、、

　緊張して出るものもでません.....。」

確かにそりゃそーだw

便座に座ってる姿を２人からじーーと眺められてたら

健康な人でも出ませんわよねw

そして我々はカーテンを引いてジローくんを１人にした。

１人になってジローくんはリラックスできたのか明るい声で

「でました！」と報告があった、、その直後　

「ぎゃっっ」とジローくんの悲鳴がw

なんと！マッキー先生がばれないように

そ〜〜と息をひそめて便座に座っているジローくんの姿を

カーテンの上から覗いていたのでした。

ジローくんに事故などあったらいけないので見守っていてくれたのです。

尿が出てほっとしたジローくんが何気に頭上をみたら

天井にマッキー先生の顔があってびっくりしたわけですっw

その訓練終了後

「なんともご苦労な仕事だなぁ...。」とため息混じりにジローくんがつぶやいた。

「ご苦労をかけないように早く良くなろうねっ」

と会話しながら私とジローくんはお部屋に戻りました。

この訓練は３回で無事終了することができました。

お疲れ様でした〜マッキー先生w

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【花実&ジローの紹介　脳幹出血▶︎第１話】

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