脳幹出血【第20話】▶︎ 第二の心臓
脳幹出血発症後から2ヶ月、ジローくんは自分の力で動く事が出来ず
リハビリの時間になると3人の介護士さんに持ち上げられ
車椅子に騎乗して ''座る'' のさえ困難な状況が続いていました。
人の体は2ヶ月間寝たきりになると筋肉が落ちてしまい立てなくなります。
ジローくんの場合は食べる事もできなかったので
脚はまるで鶏の脚のよう....。 体重は25kg減。
理学療法(PT)は何人かの先生の指導のもとで行われましたが
1人目の先生、HG先生が
このままでは寝たきりになってしまうので
起立台訓練をやってみようと提案してくださいました。
起立台とは救急車で運ばれるときのストレッチャーのような感じのもので
体をベルトで縛り、機械の力で寝ている台ごと立たせるという訓練です。
ベルトで固定されたジローくんの体が少しずつ起こされていき
10度、20度、30度.......。
そして起立台の角度が40度を超えた時ジローくんの血圧が急に低下しだした。
血圧上値が70を切り、これ以上やると危険だからと訓練は中断。
''起立性低血圧'' でした。
ジローくんは立つとか座るという当たり前の動作以前の問題で
''体を起こす'' 事が出来なかったのです。
起立台の訓練はその後1週間続きましたが
いずれも結果は初日と同じで進歩は見られませんでした。
さすがにこの時私はかなりナーバスになり
ジローくんが立つ事はもう無理なのかな?と落ち込みました。
でも、理学療法(PT)の2人目のNISHI先生は
ジローくんのふくらはぎを掴み、筋肉の様子を確かめてからこう言った。
「ふくらはぎは第二の心臓と言われていて、
体を起こすと脚に血液が下がるのでふくらはぎがポンプの役割をして
上に血液を押し上げているのです。
ふくらはぎを鍛えることによって血圧低下はきっと解決できますよ。」
そして3人目の理学療法(PT)の先生、SHIO先生が
突然こんな事を言いだしたのです。
「よっし!今日は訓練室で自分の脚の力で立ってみよう!」と。
心配そうにしている私にSHIO先生は
「機械の力で立っているから第二の心臓が働かないんですよ。
自分の力で踏ん張ればきっと大丈夫!ジローさんならきっと立てますよ !!」
と言い切った。
そしてSHIO先生は訓練室の平行棒の前で
車椅子に座っているジローくんのふくらはぎ ''第二の心臓'' をがっつりと鷲掴みにし
「よしっ!!! 自分の力で踏ん張って、立ち上がってみろっ!!!」
と大きな声をあげた。
ジローくんはその声に押されるように
歯を食いしばって細い脚を踏ん張り、SHIO先生に支えられ
見事に立ち上がったのです。
SHIO先生がおっしゃった通り、自分の力で立ち上がることにより
第二の心臓がしっかり働き、血圧は下がりませんでした。
ジローくんがはじめて立ち上がったのは発症後90日経過した頃になります。
希望を持ち続けてくれている理学療法の先生方に助けられ
また私たちは明るい未来に向かって1歩前進する事が出来たのでした。
ジローくんの回復状況を見て、人はよく奇跡だと言います。
でも私はジローくんを見ていて奇跡だと思った事はありません。
支えてくださっている方々の多くの力が
不可能を可能にするパワーを生み出しているのだとおもっています。
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